古い読者なら覚えておられるだろう、1983年の本誌は毎号、中国の農山漁村をテーマとした素ぼくな木版画で表紙を飾ったが、その作者が本欄の主人公、徐氷さんだった。だが、そのころ彼は、すでに、自ら“天書”と名づけた新しい漢字の創造に没頭する前衛芸術家に変身しつつあった。ここに見られるように、それらの字は全く読解不能だが、一種の厳粛さと時代への不安をたたえ、中国美術界のヌーベルバーグとして、大きな話題とな...
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古い読者なら覚えておられるだろう、1983年の本誌は毎号、中国の農山漁村をテーマとした素ぼくな木版画で表紙を飾ったが、その作者が本欄の主人公、徐氷さんだった。だが、そのころ彼は、すでに、自ら“天書”と名づけた新しい漢字の創造に没頭する前衛芸術家に変身しつつあった。ここに見られるように、それらの字は全く読解不能だが、一種の厳粛さと時代への不安をたたえ、中国美術界のヌーベルバーグとして、大きな話題とな...