杜甫は情に厚い人で、共に生活したりつき合ったりした善良な人たちに対して、いつも純真な情愛を抱いていた。苦しいさすらいの生涯を送ったが、その中で、妻や家族をしのんで作った詩の、数の多さとすばらしさは、唐代の詩人の中で、おそらく第一位にあげられるだろう。ひじょうに家庭観念が強かったわけで、これは、儒教で重んじられている「仁愛」「孝悌」「忠信」「同袍物与」などの道徳観から出ている。同袍物与は、衣服を共に...
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杜甫は情に厚い人で、共に生活したりつき合ったりした善良な人たちに対して、いつも純真な情愛を抱いていた。苦しいさすらいの生涯を送ったが、その中で、妻や家族をしのんで作った詩の、数の多さとすばらしさは、唐代の詩人の中で、おそらく第一位にあげられるだろう。ひじょうに家庭観念が強かったわけで、これは、儒教で重んじられている「仁愛」「孝悌」「忠信」「同袍物与」などの道徳観から出ている。同袍物与は、衣服を共に...