ひとり1個のボール

解放前の中国。軍閥の閻錫山（えんしやくざん）が山西地方に君臨し、その一族も虎の威を借りていばりちらしていた。閻錫山の妻の弟もそのひとりで、およそ無教養な男だったくせに、なぜか教育監督みたいなポストに成り上がった。この監督、ある日ある学校に意気揚々と視察にやって来た。校長は彼のバックをよく知っていたから、その辺はぬかりなく相当な人数を集めてお迎え申し上げた。監督ドノすっかりごきげん、ふんぞりかえって...