北方では「油条」といっている大衆的な軽食を、杭州では油炸鬼と呼ぶ。その名の由来はこうだ。女真族の国·金に滅ぼされた宋が、杭州を都として南宋を建てた12世紀初めのこと、杭州に揚げ物専門の小売り店があった。主人の李四は、正直で、曲がったことが大きらい、お客の気持ちもよくわかるという、りっぱな男だった。1141年、金を相手に数々の武勲をたてた忠臣·岳飛が、奸臣·秦檜によって謀殺された。人びとははげしい悲...
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北方では「油条」といっている大衆的な軽食を、杭州では油炸鬼と呼ぶ。その名の由来はこうだ。女真族の国·金に滅ぼされた宋が、杭州を都として南宋を建てた12世紀初めのこと、杭州に揚げ物専門の小売り店があった。主人の李四は、正直で、曲がったことが大きらい、お客の気持ちもよくわかるという、りっぱな男だった。1141年、金を相手に数々の武勲をたてた忠臣·岳飛が、奸臣·秦檜によって謀殺された。人びとははげしい悲...