万巻の書を読み万里の路を行く、これは中国古代の知識階級が、学識を増し、視野を広め、能力を高めるための必経の道だった。杜甫が生きた唐代が正にそうで、大志をもつ若者は、読書生活だけでは飽き足らず、機会をみつけては遠方へ漫遊に出かけたものだ。漫遊の目的は二つある。一つは名山大河を訪ね森林原野に分け入って得た霊感で、力作をものし、文名をあげるため。もう一つは、交友を広め各地の貴顕と近づきになって、その引き...
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万巻の書を読み万里の路を行く、これは中国古代の知識階級が、学識を増し、視野を広め、能力を高めるための必経の道だった。杜甫が生きた唐代が正にそうで、大志をもつ若者は、読書生活だけでは飽き足らず、機会をみつけては遠方へ漫遊に出かけたものだ。漫遊の目的は二つある。一つは名山大河を訪ね森林原野に分け入って得た霊感で、力作をものし、文名をあげるため。もう一つは、交友を広め各地の貴顕と近づきになって、その引き...