扇子の製作は北宋時代に始まり、明清時代に入って全国に広まっていった。同時に種類も豊富になり、工芸的にも完ぺきなものになっていく。この異国情趣にあふれる扇子は、巧みなデザイン、精緻な作り、扇面の彩絵から見ても、工芸美術品として数少ない得難い作品だといっていい。紙扇の骨十六本は象牙でできており、その上に施された装飾は製作者の熟達した技法をうかがわせる。十四の子骨には幾つもの細い線による透彫りが見られ、...
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扇子の製作は北宋時代に始まり、明清時代に入って全国に広まっていった。同時に種類も豊富になり、工芸的にも完ぺきなものになっていく。この異国情趣にあふれる扇子は、巧みなデザイン、精緻な作り、扇面の彩絵から見ても、工芸美術品として数少ない得難い作品だといっていい。紙扇の骨十六本は象牙でできており、その上に施された装飾は製作者の熟達した技法をうかがわせる。十四の子骨には幾つもの細い線による透彫りが見られ、...