乾元二年(七五九)、杜甫は四十八歳、詩人の生活に大転換が生じた一年であり、また詩作の豊富な一年である。その前年の冬、官軍が一時優勢になり洛陽への交通が回復したので杜甫は久しぶりに故郷洛陽の陸渾荘(りくこんそう)の家へ帰ってみたが、また危くなり、乾元二年の春、再び任地の華州に戻った。その夏、関中にひでりによる大ききんが続き、杜甫はついに華州司功参軍の官職を放棄して、家族を連れて秦州(しんしゆう)に向...
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乾元二年(七五九)、杜甫は四十八歳、詩人の生活に大転換が生じた一年であり、また詩作の豊富な一年である。その前年の冬、官軍が一時優勢になり洛陽への交通が回復したので杜甫は久しぶりに故郷洛陽の陸渾荘(りくこんそう)の家へ帰ってみたが、また危くなり、乾元二年の春、再び任地の華州に戻った。その夏、関中にひでりによる大ききんが続き、杜甫はついに華州司功参軍の官職を放棄して、家族を連れて秦州(しんしゆう)に向...