元代に景徳鎮窯で紅の釉薬を用いた磁器が焼造されたが、これによって磁器の世界はより彩り豊かなものになった。この壺は早くに蓋を失っている。上部にある二つの耳飾りをもつ錫製の口は、のちに所有者が取り付けたもの。造形は変化したが、芸術的価値に変わりはない。世界的に見ても得難い逸品だと言えよう。作りは規範を逸脱しておらず、重厚かつ端整な壷に仕上がっていて、同時代の景徳鎮の他の壺と形は同じである。表面に施され...
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元代に景徳鎮窯で紅の釉薬を用いた磁器が焼造されたが、これによって磁器の世界はより彩り豊かなものになった。この壺は早くに蓋を失っている。上部にある二つの耳飾りをもつ錫製の口は、のちに所有者が取り付けたもの。造形は変化したが、芸術的価値に変わりはない。世界的に見ても得難い逸品だと言えよう。作りは規範を逸脱しておらず、重厚かつ端整な壷に仕上がっていて、同時代の景徳鎮の他の壺と形は同じである。表面に施され...