高く澄んだ空にひと刷きの雲、金秋の北京には鳥かごを提げた人が目立つ。四、五十年前なら、こういうのはほとんどが封建王朝の遺臣たちの姿だったが、いまは、定年退職の労働者である。年金で暮らしはまずまず、鳥を飼うのが楽しみで、画眉のひなで二十元、鳴けるのは百元、鳥かごやえさ代を入れると二百元にもなるが、老人たちは惜しまない。三羽も五羽も飼う人もいる。鳥かごの真ちゅう金具を磨きあげ、染付けの小さいつぼに水と...
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高く澄んだ空にひと刷きの雲、金秋の北京には鳥かごを提げた人が目立つ。四、五十年前なら、こういうのはほとんどが封建王朝の遺臣たちの姿だったが、いまは、定年退職の労働者である。年金で暮らしはまずまず、鳥を飼うのが楽しみで、画眉のひなで二十元、鳴けるのは百元、鳥かごやえさ代を入れると二百元にもなるが、老人たちは惜しまない。三羽も五羽も飼う人もいる。鳥かごの真ちゅう金具を磨きあげ、染付けの小さいつぼに水と...