明代の中興のメルクマールとも言えるのが、一五七二年に出た『集古印譜』です。漢印の印跡を集めて一書にしたてたもので、ひとたび世に問われると、たちまち“倣漢(ほうかん)”の一大ブームを巻き起こしました。「印は漢に倣(なら)え」という、いわば当然の主張が、ごく自然に受け入れられたのです。千年の眠りから覚めた篆刻芸術は、ここに第二のピークをむかえます。書画芸術の発展、石質印材の普及、そして文人書画家が自ら...
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明代の中興のメルクマールとも言えるのが、一五七二年に出た『集古印譜』です。漢印の印跡を集めて一書にしたてたもので、ひとたび世に問われると、たちまち“倣漢(ほうかん)”の一大ブームを巻き起こしました。「印は漢に倣(なら)え」という、いわば当然の主張が、ごく自然に受け入れられたのです。千年の眠りから覚めた篆刻芸術は、ここに第二のピークをむかえます。書画芸術の発展、石質印材の普及、そして文人書画家が自ら...