いまも伝わる千年前の故事晋の王嘉が記した『拾遺記』に、こんな面白い話が載っている。―三国時代、呉の王孫権は魏、蜀と天下争奪のため、絵画のうまい人物に軍用図を描いてもらいたいと考えていた。そこで、丞相の趙逵は「自分の妹が絵にも刺しゅうにも長じているので、頼んでもよろしい」と勧めた。孫権はすぐに彼女に会う。彼女は言う、「丹青では色が落ちやすく、長く保存はできない。刺しゅうができるので、方形の絹の上に国...
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いまも伝わる千年前の故事晋の王嘉が記した『拾遺記』に、こんな面白い話が載っている。―三国時代、呉の王孫権は魏、蜀と天下争奪のため、絵画のうまい人物に軍用図を描いてもらいたいと考えていた。そこで、丞相の趙逵は「自分の妹が絵にも刺しゅうにも長じているので、頼んでもよろしい」と勧めた。孫権はすぐに彼女に会う。彼女は言う、「丹青では色が落ちやすく、長く保存はできない。刺しゅうができるので、方形の絹の上に国...