丁一という若い百姓がいた。ある日、急ぎの用で近道をしようと、地主の野菜畑のあぜ道を通っていたところ、あいにく地主に見つかった。「こらッ、うちのあぜを通っちゃいかん」「このあぜだって、道ですぜ。どうして通っちゃいけないんです?」「あぜだって、わしの物だ。通るのはまかりならん!」丁一は、仕方なく後返りをしたが、煮えくり返る思い。見ていろ、いまに仕返しをしてやるから。数日たって、大雨が降った。丁一は、墨...
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丁一という若い百姓がいた。ある日、急ぎの用で近道をしようと、地主の野菜畑のあぜ道を通っていたところ、あいにく地主に見つかった。「こらッ、うちのあぜを通っちゃいかん」「このあぜだって、道ですぜ。どうして通っちゃいけないんです?」「あぜだって、わしの物だ。通るのはまかりならん!」丁一は、仕方なく後返りをしたが、煮えくり返る思い。見ていろ、いまに仕返しをしてやるから。数日たって、大雨が降った。丁一は、墨...