前回では篆刻の起源についてお話しました。篆刻の起源が、遠く戦国時代にまでさかのぼれることは、実は、清代になるまで、中国の人びとも知らなかったのです。考証学、文字学が確立される以前には、戦国時代の印形(いんぎよう)までひっくるめて「秦鉨(しんじ)」と呼んでいたのですが、道光八年(一八二八)、張廷済の編になる『清儀閣古印偶存』によって、はじめて戦国時代にも印のあったことが明らかにされました。張廷済は、...
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前回では篆刻の起源についてお話しました。篆刻の起源が、遠く戦国時代にまでさかのぼれることは、実は、清代になるまで、中国の人びとも知らなかったのです。考証学、文字学が確立される以前には、戦国時代の印形(いんぎよう)までひっくるめて「秦鉨(しんじ)」と呼んでいたのですが、道光八年(一八二八)、張廷済の編になる『清儀閣古印偶存』によって、はじめて戦国時代にも印のあったことが明らかにされました。張廷済は、...