小説『三国演義』を読んだ人なら多分、曹操の手足(しゆそく)である勇将夏侯惇を憶えているだろう。戦(いくさ)で左目に矢が当り「すぐ矢を抜き出し目玉を食べてしまった」という人物だ。この無鉄砲ともいえる勇猛な行動は、読者に強い印象を残したに違いない。のち、軍中で「盲夏侯」と呼ばれるようになるが、本人はこのあだなが大嫌いで、つねに鏡を見ては怒りがつのり、最後には鏡を地面に投げつけてしまう。幸い、三国時代は...
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小説『三国演義』を読んだ人なら多分、曹操の手足(しゆそく)である勇将夏侯惇を憶えているだろう。戦(いくさ)で左目に矢が当り「すぐ矢を抜き出し目玉を食べてしまった」という人物だ。この無鉄砲ともいえる勇猛な行動は、読者に強い印象を残したに違いない。のち、軍中で「盲夏侯」と呼ばれるようになるが、本人はこのあだなが大嫌いで、つねに鏡を見ては怒りがつのり、最後には鏡を地面に投げつけてしまう。幸い、三国時代は...