前後二回、あわせて十年間、私は東京で駐日記者の生活をおくった。二度目の時は、家内も一緒だったので、日本の庶民と同じアパート暮らしだった。港区白金六丁目の新しいアパートで、日あたりもよく設備も整っており、満足できたのだが、引っ越ししたその日から、私たちは“当惑”することになってしまったのである。お風呂に入って体をあたためようと思ったのだが、長い間寮の生活をしていた私は、日常生活の機械には弱いためだろ...
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前後二回、あわせて十年間、私は東京で駐日記者の生活をおくった。二度目の時は、家内も一緒だったので、日本の庶民と同じアパート暮らしだった。港区白金六丁目の新しいアパートで、日あたりもよく設備も整っており、満足できたのだが、引っ越ししたその日から、私たちは“当惑”することになってしまったのである。お風呂に入って体をあたためようと思ったのだが、長い間寮の生活をしていた私は、日常生活の機械には弱いためだろ...