北京の民族文化宮へ民俗の展覧会を見に行ったときのことです。展示品の中で、百年以上も前のさまざまな「銀三様」や、使い込んで黒光りのしている孫の手に目がとまりました。「銀三様」というのは、三つの銀製の小道具を鎖でつないだもの。あるいは耳かき、魚の形をした小刀、ひげをすく櫛(くし)、あるいは妻楊枝(つまようじ)、耳かき、毛抜き、あるいは耳かきと錐(きり)に、象牙の櫛というふうに。精巧なつくりの生活の小道...
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北京の民族文化宮へ民俗の展覧会を見に行ったときのことです。展示品の中で、百年以上も前のさまざまな「銀三様」や、使い込んで黒光りのしている孫の手に目がとまりました。「銀三様」というのは、三つの銀製の小道具を鎖でつないだもの。あるいは耳かき、魚の形をした小刀、ひげをすく櫛(くし)、あるいは妻楊枝(つまようじ)、耳かき、毛抜き、あるいは耳かきと錐(きり)に、象牙の櫛というふうに。精巧なつくりの生活の小道...