欧陽通は初唐の人で、大書家欧陽詢の子である。父は早く死に、母の徐氏の指導で書法を学んだ。母はたびたび通に金を渡して、詢の真跡を買い戻し、これを臨模させた。通自身も夜を日についで練習し、数年の間にめざましい進歩を見せ、のちにその書は「大小欧陽体」として、父子並び称せられるようになった。通は人となりが剛直で、天授二年(六九一)、宮中の舎人の役人である張嘉福らが、則天武后の一族の武承嗣を皇太子に擁立しょ...
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欧陽通は初唐の人で、大書家欧陽詢の子である。父は早く死に、母の徐氏の指導で書法を学んだ。母はたびたび通に金を渡して、詢の真跡を買い戻し、これを臨模させた。通自身も夜を日についで練習し、数年の間にめざましい進歩を見せ、のちにその書は「大小欧陽体」として、父子並び称せられるようになった。通は人となりが剛直で、天授二年(六九一)、宮中の舎人の役人である張嘉福らが、則天武后の一族の武承嗣を皇太子に擁立しょ...