中国南方の、霧界山という森林地帯に、仙女のように美しい「瑤族のあねさま」のうわさが伝わって、もう何年にもなる。霧界山のずっと奥の、緑毛坑というところに、営林場の番をしている盤青青という名の美しい瑤族の娘がいて、山で生まれ山で育って、婿を迎えたことまでは、営林署の若い者も聞いて知っている。だが、緑毛坑は営林署のある町から五〇キロも奥だ、青青は一度しか出てきたことがないので、仙女のようだといわれる姿を...
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中国南方の、霧界山という森林地帯に、仙女のように美しい「瑤族のあねさま」のうわさが伝わって、もう何年にもなる。霧界山のずっと奥の、緑毛坑というところに、営林場の番をしている盤青青という名の美しい瑤族の娘がいて、山で生まれ山で育って、婿を迎えたことまでは、営林署の若い者も聞いて知っている。だが、緑毛坑は営林署のある町から五〇キロも奥だ、青青は一度しか出てきたことがないので、仙女のようだといわれる姿を...