県知事の三人の召使い

昔、ある県知事がいろいろ手を尽くしてそれぞれ気性の違った三人の召使いを選んだ。一人はせっかちで、自分の従者にする。もう一人はのんびり屋で、息子の面倒を見させる。あとの一人は欲ばりで、仕入れを受け持たせる。ある日のこと、県知事は客に会うために町へ行こうとして、“せっかち”に馬の用意を言い付けた。ところが、見知らぬ男を見た馬は大暴れ、用意どころではない。“せっかち”は我慢がならず、一刀のもとに馬の頭を...