昔、皇宮に皇帝のために文書を配る人がいた。ある日、皇帝が急ぎの公文書を発布、速やかに各地方の官吏に送るよう命令した。そのため、特別に信使に足の早い馬を使わせた。ところがその信使、まことに滑稽。馬に鞍だけのせて前に走らせ、自分は手にたずな、公文書の入った袋を背にして馬のあとを追うものだから、汗をびっしょりかき、つかれにつかれはててしまった。そんな信使の難渋する様子を見た通りすがりの人が聞いてみた。「...
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昔、皇宮に皇帝のために文書を配る人がいた。ある日、皇帝が急ぎの公文書を発布、速やかに各地方の官吏に送るよう命令した。そのため、特別に信使に足の早い馬を使わせた。ところがその信使、まことに滑稽。馬に鞍だけのせて前に走らせ、自分は手にたずな、公文書の入った袋を背にして馬のあとを追うものだから、汗をびっしょりかき、つかれにつかれはててしまった。そんな信使の難渋する様子を見た通りすがりの人が聞いてみた。「...