先ごろ、古都洛陽で第三回日本文学シンポジウムが開かれ、参加した研究者は百二十人余り、提出された論文はおよそ五十篇にのぼった。日本の古典文学、主として名著『源氏物語』を中心に討議がなされた。この小説は弘徽殿女御とその父右大臣を一派とする外戚勢力と、源氏、その義父左大臣を代表ずる勢力との矛盾を通じて、貴族階級の権力争いを描いたもの、というのが大方の学者の見方。また、愛の悲劇を描写したもので、その悲劇は...
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先ごろ、古都洛陽で第三回日本文学シンポジウムが開かれ、参加した研究者は百二十人余り、提出された論文はおよそ五十篇にのぼった。日本の古典文学、主として名著『源氏物語』を中心に討議がなされた。この小説は弘徽殿女御とその父右大臣を一派とする外戚勢力と、源氏、その義父左大臣を代表ずる勢力との矛盾を通じて、貴族階級の権力争いを描いたもの、というのが大方の学者の見方。また、愛の悲劇を描写したもので、その悲劇は...