殷墟は、殷代後期の都城で、今日の河南省安陽の西北郊外にある。一九七六年六月、洹水南岸の殷墟の中心にあたる小屯村の北で、小規模な墓葬が発掘された。墓主は殷王武丁(前一三二四~前一二六五)の配偶者である婦好で、墓室中の副葬品は精美をきわめていた。本文に紹介する玉人がその内の一つなのである。玉人は黄茶色をしており、高さは七センチ。男子はひざまずいて両手を膝においている。長い辮髪が右耳の後側をへて頭上から...
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殷墟は、殷代後期の都城で、今日の河南省安陽の西北郊外にある。一九七六年六月、洹水南岸の殷墟の中心にあたる小屯村の北で、小規模な墓葬が発掘された。墓主は殷王武丁(前一三二四~前一二六五)の配偶者である婦好で、墓室中の副葬品は精美をきわめていた。本文に紹介する玉人がその内の一つなのである。玉人は黄茶色をしており、高さは七センチ。男子はひざまずいて両手を膝においている。長い辮髪が右耳の後側をへて頭上から...