あるうららかな小春日和の日、北宋の史学家劉攽(一〇二三~一〇八九)は食事をすませたあと、王安石(一〇二一~一〇八六。北宋の政治家、文学者)を訪ねに行った。王安石がちょうど食事をしているところだったので、門番は劉攽を書斎に通しだ。劉攽は机の上においてある『兵を論ず』という原稿に気がつき、手にとって読み、王安石の見解に深く感服した。読みおえると、また原稿をもとどおりにおいた。このとき、王安石が入ってき...
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あるうららかな小春日和の日、北宋の史学家劉攽(一〇二三~一〇八九)は食事をすませたあと、王安石(一〇二一~一〇八六。北宋の政治家、文学者)を訪ねに行った。王安石がちょうど食事をしているところだったので、門番は劉攽を書斎に通しだ。劉攽は机の上においてある『兵を論ず』という原稿に気がつき、手にとって読み、王安石の見解に深く感服した。読みおえると、また原稿をもとどおりにおいた。このとき、王安石が入ってき...