前漢(前二〇六~二四)宣帝の時代、西北の羌族が侵入し、城を攻め、土地を奪い、焼き、殺し、略奪するという悪事のかぎりをつくした。これを見た宣帝は群臣を召集して対策を講じ、軍隊を率いて敵と戦う者がいるかと問うと、七十六歳の老将趙充国が自ら名乗り出た。老将には羌人を相手に辺境で数十年暮らした経験があったのである。宣帝は聞いた。「どのくらいの兵力が必要かね」「百聞は一見に如かずでございます。私が自ら辺境に...
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前漢(前二〇六~二四)宣帝の時代、西北の羌族が侵入し、城を攻め、土地を奪い、焼き、殺し、略奪するという悪事のかぎりをつくした。これを見た宣帝は群臣を召集して対策を講じ、軍隊を率いて敵と戦う者がいるかと問うと、七十六歳の老将趙充国が自ら名乗り出た。老将には羌人を相手に辺境で数十年暮らした経験があったのである。宣帝は聞いた。「どのくらいの兵力が必要かね」「百聞は一見に如かずでございます。私が自ら辺境に...