北宋年間の有名な政治家、学者の司馬光(一〇一九~一〇八六)は、歴史的な巨著『資治通鑑』を著わしたばかりでなく、本を大切にすることをよく心得ていた。彼のいた洛陽の「読書堂」には文学·歴史の書籍が一万余巻あったという。朝夕ひもどいていたが、数十年たったあとも、その本はやはり完全無欠だった。もともと、司馬光には、一連の本の保存法があった。彼は毎年、夏の土用と重陽(九月九日)になると、晴れた日をえらんで、...
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北宋年間の有名な政治家、学者の司馬光(一〇一九~一〇八六)は、歴史的な巨著『資治通鑑』を著わしたばかりでなく、本を大切にすることをよく心得ていた。彼のいた洛陽の「読書堂」には文学·歴史の書籍が一万余巻あったという。朝夕ひもどいていたが、数十年たったあとも、その本はやはり完全無欠だった。もともと、司馬光には、一連の本の保存法があった。彼は毎年、夏の土用と重陽(九月九日)になると、晴れた日をえらんで、...