昔、金持ちの屋敷で方十という百姓が門番をやっていた。ある日、芝居の一座がやってきて、村の空き地に舞台をつくった。村びとたちは大喜びで、見に出かけた。方十も芝居ずきであったから行きたくてしようがないが、屋敷の主人はこう言いつけた。「家族全員で芝居を見に行くから、おまえはしっかりと門番をしているんだ」「はい、かしこまりました。どうかご安心下さい」と方十は答えた。しばらくすると、広場から太鼓の音やドラの...
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昔、金持ちの屋敷で方十という百姓が門番をやっていた。ある日、芝居の一座がやってきて、村の空き地に舞台をつくった。村びとたちは大喜びで、見に出かけた。方十も芝居ずきであったから行きたくてしようがないが、屋敷の主人はこう言いつけた。「家族全員で芝居を見に行くから、おまえはしっかりと門番をしているんだ」「はい、かしこまりました。どうかご安心下さい」と方十は答えた。しばらくすると、広場から太鼓の音やドラの...