昔、仲のよいふたりがいた。ひとりはせっかちで和凝といい、もうひとりはのんびり者で馮道といった。ある日、和凝は馮道が新しい靴をはいているのを見て、「馮さん、その靴はいくらで買ったの」と聞いた。馮道は片一方の足をあげて、「九百銭だ」と、ゆっくりと答えた。和凝は聞くやいなや、そばにいた召使いをふりかえり、「お前が買ってくれたあの靴はなんで千八百銭も使ったのか」とひどく叱かった。が、その時、馮道はもう一方...
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昔、仲のよいふたりがいた。ひとりはせっかちで和凝といい、もうひとりはのんびり者で馮道といった。ある日、和凝は馮道が新しい靴をはいているのを見て、「馮さん、その靴はいくらで買ったの」と聞いた。馮道は片一方の足をあげて、「九百銭だ」と、ゆっくりと答えた。和凝は聞くやいなや、そばにいた召使いをふりかえり、「お前が買ってくれたあの靴はなんで千八百銭も使ったのか」とひどく叱かった。が、その時、馮道はもう一方...