唐代の書家鄭慶は、字を習いはじめたとき家が貧しくて紙が買えなかった。あるとき、長安の町の南に慈恩寺という寺があって、いくつもの部屋に柿の葉を貯蔵していると聞いたので、出かけていって「部屋代は払いますから、そこを貸して下さい」と和尚に頼んだ。和尚はよろこんで同意した。移り住んだ鄭慶は、扉を閉ざして、読書と書道の練習にはげんだ。毎日柿の葉に毛筆で字を書き、表が終われば裏と、何年かのうちに、寺にあった柿...
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唐代の書家鄭慶は、字を習いはじめたとき家が貧しくて紙が買えなかった。あるとき、長安の町の南に慈恩寺という寺があって、いくつもの部屋に柿の葉を貯蔵していると聞いたので、出かけていって「部屋代は払いますから、そこを貸して下さい」と和尚に頼んだ。和尚はよろこんで同意した。移り住んだ鄭慶は、扉を閉ざして、読書と書道の練習にはげんだ。毎日柿の葉に毛筆で字を書き、表が終われば裏と、何年かのうちに、寺にあった柿...