春秋のころ(前七七〇~前四七七)斉と魯という隣りあった諸侯国があった。ともに地理的条件が良く豊かな自然に恵まれていたが、斉は日に日に栄え、魯は日に日に衰えて行く。ある日、魯の領主は、その理由を側近の大臣にたずねた。大臣は、斉の領主は、人材を重視しているので、才能のある者がみな、そちらに行くからだ、と答えた。領主は面白くなかった。「それは私のせいではないぞ。お前たちは大臣でありながら、なぜ賢人を推せ...
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春秋のころ(前七七〇~前四七七)斉と魯という隣りあった諸侯国があった。ともに地理的条件が良く豊かな自然に恵まれていたが、斉は日に日に栄え、魯は日に日に衰えて行く。ある日、魯の領主は、その理由を側近の大臣にたずねた。大臣は、斉の領主は、人材を重視しているので、才能のある者がみな、そちらに行くからだ、と答えた。領主は面白くなかった。「それは私のせいではないぞ。お前たちは大臣でありながら、なぜ賢人を推せ...