カラーグラフ参照「美食は美器に如(し)かず」という人がいるが、これはもちろん極端な言い方で、実さいに、どんなごちそうでも、粗末な器に盛ったら、やはりふさわしくあるまい。杜甫の詩に「紫駝の峰(ラクダのコブ肉、珍味)は翠釜より出で、水精(水晶)の盤に素鱗(銀鱗の魚)を行(や)る」(麗人行)とあるのは、佳肴と美器の取り合わせを讃えたものだ。本号グラフ「古文物」の銀鎏金鳳紋大盒は、そうした美器中の美器とい...
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カラーグラフ参照「美食は美器に如(し)かず」という人がいるが、これはもちろん極端な言い方で、実さいに、どんなごちそうでも、粗末な器に盛ったら、やはりふさわしくあるまい。杜甫の詩に「紫駝の峰(ラクダのコブ肉、珍味)は翠釜より出で、水精(水晶)の盤に素鱗(銀鱗の魚)を行(や)る」(麗人行)とあるのは、佳肴と美器の取り合わせを讃えたものだ。本号グラフ「古文物」の銀鎏金鳳紋大盒は、そうした美器中の美器とい...