李賀(七九〇~八一六)、字(あざな)は長吉(ちょうきつ)、唐の有名な詩人である。初秋の季節、李賀は友人の謝秀才、杜雲卿と華山に遊んだ。道すがら景色を楽しみ、興いたれば、詩を吟じて紙に写しとり、お供の少年の背負う袋のなかに投げこんだ。歩きつづけるうちに、数本の小さな松の木の前に出た。華山の有名な五粒松である。謝、杜の二人は、この松を題材に、七言詩をつくるよう、李賀にすすめた。李賀はぼんやりと松を見つ...
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李賀(七九〇~八一六)、字(あざな)は長吉(ちょうきつ)、唐の有名な詩人である。初秋の季節、李賀は友人の謝秀才、杜雲卿と華山に遊んだ。道すがら景色を楽しみ、興いたれば、詩を吟じて紙に写しとり、お供の少年の背負う袋のなかに投げこんだ。歩きつづけるうちに、数本の小さな松の木の前に出た。華山の有名な五粒松である。謝、杜の二人は、この松を題材に、七言詩をつくるよう、李賀にすすめた。李賀はぼんやりと松を見つ...