『急就章』は漢代(紀元前二〇六~紀元二二〇)の小学生が漢字を習うための教科書で、「急就」とは速成の意だ。『急就篇』とも、また単に『急就』とも称し、現存する漢代の小学書のなかでは最古のもので、計三十二章から成る。紙の普及しない当時、木觚(もくこ)(木のふだ)に書かれたところから、冒頭に、「急就奇觚与衆異」と記されている。二〇世紀にはいってから、中国の西北地区で漢代の簡牘(かんどく)(竹や木のふだ)が...
Please login first!
『急就章』は漢代(紀元前二〇六~紀元二二〇)の小学生が漢字を習うための教科書で、「急就」とは速成の意だ。『急就篇』とも、また単に『急就』とも称し、現存する漢代の小学書のなかでは最古のもので、計三十二章から成る。紙の普及しない当時、木觚(もくこ)(木のふだ)に書かれたところから、冒頭に、「急就奇觚与衆異」と記されている。二〇世紀にはいってから、中国の西北地区で漢代の簡牘(かんどく)(竹や木のふだ)が...