後漢(二五~二二〇)のころ、公沙穆という若者が勉学のため、都の洛陽に旅だったが、途中、路銀を使いはたしてしまった。おまけに家が貧しいから送ってもらうこともできない。勉学先の太学ではボロの着物に着がえて雑用を引き受けたり、米をついたりして生計を立てていた。ある日、光禄卿の呉祐が太学にやって来た。みると、米をついている雑役夫が懐に本をしのばせている。「おまえの名前は?...
Please login first!
後漢(二五~二二〇)のころ、公沙穆という若者が勉学のため、都の洛陽に旅だったが、途中、路銀を使いはたしてしまった。おまけに家が貧しいから送ってもらうこともできない。勉学先の太学ではボロの着物に着がえて雑用を引き受けたり、米をついたりして生計を立てていた。ある日、光禄卿の呉祐が太学にやって来た。みると、米をついている雑役夫が懐に本をしのばせている。「おまえの名前は?...