船とはじめての“ご対面”十月十五日、本曜日。きょうも雲ひとつない晴。九時過ぎ、新しい武城の町をあとに、西南に向けて出発した。自転車は軽快に走る。約二〇キロ、運河車岸の大堤防の下に開けた城関鎮に到着した。ここ城関鎮は武城が三度目の“引っ越し”をするまでの県城の旧址にあたる。新しい武城の町と比べると、一見、いちじるしく見劣りがする。ところが、山東省に冠たる銘酒「古貝春」の醸造工場、武城県酒廠の所在地だ...
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船とはじめての“ご対面”十月十五日、本曜日。きょうも雲ひとつない晴。九時過ぎ、新しい武城の町をあとに、西南に向けて出発した。自転車は軽快に走る。約二〇キロ、運河車岸の大堤防の下に開けた城関鎮に到着した。ここ城関鎮は武城が三度目の“引っ越し”をするまでの県城の旧址にあたる。新しい武城の町と比べると、一見、いちじるしく見劣りがする。ところが、山東省に冠たる銘酒「古貝春」の醸造工場、武城県酒廠の所在地だ...