昨年九月のある日、ハンガリーの音楽の都、ブダペストのエルケル劇場は拍手と歓声で沸き返った。ソプラノ歌手胡暁平の歌に二〇〇〇名の観衆が聴きほれた。イタリアの有名なオペラ「ラ·ボエーム」の女主人公―ミミを演ずる歌手が中国人だとはどうにも信じられない様子であった。胡暁平は五回もカーテンコールにこたえた。これは高水準の国際音楽コンクールの声楽部門の決勝場面である。一九三三年の「フランツ·リスト国際ピアノコ...
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昨年九月のある日、ハンガリーの音楽の都、ブダペストのエルケル劇場は拍手と歓声で沸き返った。ソプラノ歌手胡暁平の歌に二〇〇〇名の観衆が聴きほれた。イタリアの有名なオペラ「ラ·ボエーム」の女主人公―ミミを演ずる歌手が中国人だとはどうにも信じられない様子であった。胡暁平は五回もカーテンコールにこたえた。これは高水準の国際音楽コンクールの声楽部門の決勝場面である。一九三三年の「フランツ·リスト国際ピアノコ...