鋪首(ほしゆ)(扉の表にとりつけた金属輪の座。金属の輪はノッカーにあたる)の主人は、ほかでもない漢の武帝の三番めの息子劉旦で、燕王に封じられ、博学雄弁、雄々しい心の持ち主である。前漢の元鳳元年(前八〇)八月、燕王は薊(けい)(現在の北京の西南にあたる)にある王城内の万載宮で宴会を開いた。以前なら、宴会の席では歌ったり踊ったりして陽気に騒ぐのがつねだったが、この日に限って、王ははじめから不快の様子で...
Please login first!
鋪首(ほしゆ)(扉の表にとりつけた金属輪の座。金属の輪はノッカーにあたる)の主人は、ほかでもない漢の武帝の三番めの息子劉旦で、燕王に封じられ、博学雄弁、雄々しい心の持ち主である。前漢の元鳳元年(前八〇)八月、燕王は薊(けい)(現在の北京の西南にあたる)にある王城内の万載宮で宴会を開いた。以前なら、宴会の席では歌ったり踊ったりして陽気に騒ぐのがつねだったが、この日に限って、王ははじめから不快の様子で...