先秦の書道芸術の一つである「鳥書」については、中国書道史上においても諸説紛々で、結局これといった定説がない。現代でもなお新説が続出、そのたびに耳目を一新させられるのだが、鳥書の何たるかを知っていただくには、宋代のある政治物語から始めるのがてっとりばやい。宋の哲宗の時である。党派間の争いが激しく、政治は日ましに腐敗していった。紹聖五年の年頭、段義という者が宝璽一方を献上した。その瑞宝は青緑色で、正方...
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先秦の書道芸術の一つである「鳥書」については、中国書道史上においても諸説紛々で、結局これといった定説がない。現代でもなお新説が続出、そのたびに耳目を一新させられるのだが、鳥書の何たるかを知っていただくには、宋代のある政治物語から始めるのがてっとりばやい。宋の哲宗の時である。党派間の争いが激しく、政治は日ましに腐敗していった。紹聖五年の年頭、段義という者が宝璽一方を献上した。その瑞宝は青緑色で、正方...