今月の「書道鑑賞」は、明の黄輝の行草の巨幅で、長さ三四九·四センチ、幅一〇四センチの中堂(表座敷の正面に飾る掛け軸)で、これは黄輝自作の「飲盤竜岩泉」という五言律詩である。「石髄従君剖,何如玉乳香。額珠光直射,胆鏡影横張。預露飛竜沫,寒星洗鵠漿。一杯和笑酌,分得道人糧」(大意―玉のような岩清水のすがすがしさ、酌んで飲めば仙人の糧かと思われる)。書には気勢がみなぎり、飄逸かつ重厚で、一筆一画に雷鳴の...
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今月の「書道鑑賞」は、明の黄輝の行草の巨幅で、長さ三四九·四センチ、幅一〇四センチの中堂(表座敷の正面に飾る掛け軸)で、これは黄輝自作の「飲盤竜岩泉」という五言律詩である。「石髄従君剖,何如玉乳香。額珠光直射,胆鏡影横張。預露飛竜沫,寒星洗鵠漿。一杯和笑酌,分得道人糧」(大意―玉のような岩清水のすがすがしさ、酌んで飲めば仙人の糧かと思われる)。書には気勢がみなぎり、飄逸かつ重厚で、一筆一画に雷鳴の...