晋の霊公は、春秋時代(前七七〇~前四七六)の十二列国のひとつ晋の君主で、名は夷皋(いこう)といった。ある時、国の財力欠乏にもかかわらず、豪華をきわめた九階建ての楼閣を建造しろと命令した。この大工事は人力と財力をむだに使うだけだと知りながら、霊公を畏れて、大臣たちには誰ひとり、敢えて進言しようとするものがなかった。そこへ“知恵袋”と称されていた荀息(じゆんそく)がニコニコしながら霊公の前に進み出た。...
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晋の霊公は、春秋時代(前七七〇~前四七六)の十二列国のひとつ晋の君主で、名は夷皋(いこう)といった。ある時、国の財力欠乏にもかかわらず、豪華をきわめた九階建ての楼閣を建造しろと命令した。この大工事は人力と財力をむだに使うだけだと知りながら、霊公を畏れて、大臣たちには誰ひとり、敢えて進言しようとするものがなかった。そこへ“知恵袋”と称されていた荀息(じゆんそく)がニコニコしながら霊公の前に進み出た。...