上海市の有名な庭園豫園に、「玉玲瓏」という観賞用の大きな石がある。石には小さな穴が七十二もあって、火をくべると、穴から煙がゆっくりと立ちのぼる。まるで山中で雲や霧が漂い出たようにみえ、なんともすばらしい眺めである。この石は九百年前の宋代のものだ。当時、宋の徽宗趙佶は、宮殿や庭園をつくろうと、天下の奇石を集めて都の汴京(いまの河南省開封市)に運ばせた。それらの奇石の一部は途中で紛失し、個人の手に入っ...
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上海市の有名な庭園豫園に、「玉玲瓏」という観賞用の大きな石がある。石には小さな穴が七十二もあって、火をくべると、穴から煙がゆっくりと立ちのぼる。まるで山中で雲や霧が漂い出たようにみえ、なんともすばらしい眺めである。この石は九百年前の宋代のものだ。当時、宋の徽宗趙佶は、宮殿や庭園をつくろうと、天下の奇石を集めて都の汴京(いまの河南省開封市)に運ばせた。それらの奇石の一部は途中で紛失し、個人の手に入っ...