惜別は、中国の伝統詩によくみられる主題の一つである。歴代の詩人のなかに餞別贈詩の佳作は乏しくないが、なかでももっとも広く吟唱され、千古に衰えない詩として、まず第一に盛唐の詩人王維(おうい)の「元二(げんじ)の安西(あんせい)に使いするを送る」の詩、別名「渭城(いじよう)の曲」を推すべきだろう。渭城朝雨裛軽塵, 客舎青青柳色新。 勧君更尽一杯酒, 西出陽関無故人。渭城(いじよう)の朝雨(ちようう) ...
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惜別は、中国の伝統詩によくみられる主題の一つである。歴代の詩人のなかに餞別贈詩の佳作は乏しくないが、なかでももっとも広く吟唱され、千古に衰えない詩として、まず第一に盛唐の詩人王維(おうい)の「元二(げんじ)の安西(あんせい)に使いするを送る」の詩、別名「渭城(いじよう)の曲」を推すべきだろう。渭城朝雨裛軽塵, 客舎青青柳色新。 勧君更尽一杯酒, 西出陽関無故人。渭城(いじよう)の朝雨(ちようう) ...