マッチは一八五五年にスウェーデン人が作り、一八六五年に中国に伝わったので、中国ではマッチのことを「洋火」といった。ところが、これよりもずっと昔、紀元五七七年のころに「発燭」というマッチのはしりが中国にはあった。松を紙のようにうすくけずって、端にイオウを塗りつけ、はがねを打ちあわせてその火花で点火するものだが、炎の大きさが灯芯の炎ほどなので「発燭」と呼ばれた。これは宋の時代(九六〇~一二七九)に到っ...
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マッチは一八五五年にスウェーデン人が作り、一八六五年に中国に伝わったので、中国ではマッチのことを「洋火」といった。ところが、これよりもずっと昔、紀元五七七年のころに「発燭」というマッチのはしりが中国にはあった。松を紙のようにうすくけずって、端にイオウを塗りつけ、はがねを打ちあわせてその火花で点火するものだが、炎の大きさが灯芯の炎ほどなので「発燭」と呼ばれた。これは宋の時代(九六〇~一二七九)に到っ...