中国最大の川、長江をうたった歴代詩人の作品は、それこそ謳歌、耳に絶えずといってよいほどあまたあるが、清新で重厚な格調をそなえ、大江の神韻を深くとらえたものとなれば、おそらく北宋の大詩人蘇軾(そしよく)の「赤壁懐古」(一名、念奴嬌·大江東に去る)を推さなければなるまい。長江に遊び、眼前に一瀉千里(いつしやせんり)の壮大な江濤をみるたびに、わたしの脳裏や耳もとに、たえず蘇軾のこの千古に伝誦される詞(し...
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中国最大の川、長江をうたった歴代詩人の作品は、それこそ謳歌、耳に絶えずといってよいほどあまたあるが、清新で重厚な格調をそなえ、大江の神韻を深くとらえたものとなれば、おそらく北宋の大詩人蘇軾(そしよく)の「赤壁懐古」(一名、念奴嬌·大江東に去る)を推さなければなるまい。長江に遊び、眼前に一瀉千里(いつしやせんり)の壮大な江濤をみるたびに、わたしの脳裏や耳もとに、たえず蘇軾のこの千古に伝誦される詞(し...