めくらがめくら馬に乗る

晋代（二六五～四二〇）、顧愷之、桓玄が荊州の長官殷仲堪の邸で閑談しているうち、各人がそれぞれもっともスリルのある話をしてみようということになった。桓玄がまず言った。「矛（ほこ）の先に立って米をとぎ、宝剣の刃の上にうずくまってご飯を炊く」。つづいて殷仲堪、「百歳になる老人が枯木のこずえにのぼる」。顧愷之、「井戸の滑車に赤ん坊が寝ている」。最後に殷仲堪の部下の一人が言った。「めくらがめくら馬にまたがっ...