あひるに猟をさせても…

余先生は書物に「鳥類には猟をするものがいる」と書いてあるのをみて、さっそく肉づきのいい一匹のあひるをかかえて郊外にでかけた。まる一日、余先生は野うさぎを発見するたびに、あひるをはなし、「野うさぎをつかまえろ」と大声をあげた。しかし、あひるはそのたびにもんどりうって転び、立ちあがっても、よちよち歩くだけでいっこうに野うさぎを追おうとしない。余先生がこんどもあひるをかかえて放りだそうとするので、あひる...