かつて、赤壁の戦いを懐古して、格調も高く「大江は東に去り」と歌った一世の詞宗蘇軾(そしよく)(一〇三七~一一〇一年)こそは、行くところ可ならざるなき文学者、芸術家であった。詩文において一家をなしていただけではない、書や絵画にもきわめて造詣が深かった。蘇軾は字(あざな)を子瞻といい、宋代の眉山(現四川省内)の人である。のち、詩文がもとで筆禍にあい、黄州(現在の湖北省黄岡県の西北)に流謫の身となったが...
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かつて、赤壁の戦いを懐古して、格調も高く「大江は東に去り」と歌った一世の詞宗蘇軾(そしよく)(一〇三七~一一〇一年)こそは、行くところ可ならざるなき文学者、芸術家であった。詩文において一家をなしていただけではない、書や絵画にもきわめて造詣が深かった。蘇軾は字(あざな)を子瞻といい、宋代の眉山(現四川省内)の人である。のち、詩文がもとで筆禍にあい、黄州(現在の湖北省黄岡県の西北)に流謫の身となったが...