昔、峨眉山に一匹の大蛇が住んでいた。ある日、その蛇の頭としっぽとが口論を始め、たがいに一歩もひこうとしなかった。頭がしっぽに向かって、「先頭に立つのはおれさまだ」といえば、しっぽも負けずにいった。「お前なんかだめだ。おれが先頭だ」頭はそのわけを説き聞かせた。「おれには耳があるから、音を聞きわけられる。目があるから、道を見わけられる。口があるからものを食べられる。先頭に立つのは当然だろ。おまえには三...
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昔、峨眉山に一匹の大蛇が住んでいた。ある日、その蛇の頭としっぽとが口論を始め、たがいに一歩もひこうとしなかった。頭がしっぽに向かって、「先頭に立つのはおれさまだ」といえば、しっぽも負けずにいった。「お前なんかだめだ。おれが先頭だ」頭はそのわけを説き聞かせた。「おれには耳があるから、音を聞きわけられる。目があるから、道を見わけられる。口があるからものを食べられる。先頭に立つのは当然だろ。おまえには三...