中国に仏教が伝わったのは、前漢(紀元前二〇六~二四)の末期から後漢(二五~二二〇)の初期にかけてのことだといわれる。魏·晋の時代(二二〇~四二〇)になると仏教は中国の大地に根をおろしはじめ、つづく南北朝(四二〇~五八九)では各地にその影響をひろめていった。こうした仏教の伝播は、中国在来の伝統的な観念や宗教とのあいだにするどい矛盾·対立をひきおこした。南朝では唯物論者范縝(四五〇~五一〇といわれる)...
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中国に仏教が伝わったのは、前漢(紀元前二〇六~二四)の末期から後漢(二五~二二〇)の初期にかけてのことだといわれる。魏·晋の時代(二二〇~四二〇)になると仏教は中国の大地に根をおろしはじめ、つづく南北朝(四二〇~五八九)では各地にその影響をひろめていった。こうした仏教の伝播は、中国在来の伝統的な観念や宗教とのあいだにするどい矛盾·対立をひきおこした。南朝では唯物論者范縝(四五〇~五一〇といわれる)...