唐明皇ともよばれた唐の玄宗(げんそう)の名を聞くと頭に浮かぶのは、唐代の詩人白居易の不朽の名作「長恨歌」である。「長恨歌」に綴られたかずかずの物語―玄宗皇帝と楊貴妃(ようきひ)が七夕の夜に長生殿で交わした愛の誓い、太平の歓楽を破った安禄山反乱軍のせめ太鼓、都落ちの道すがら玄宗皇帝の馬前で死んでいく楊貴妃……。こうした物語は千余年も昔、中国はもとより遠く日本の奈良の都にも伝えられ、広く民衆のあいだで...
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唐明皇ともよばれた唐の玄宗(げんそう)の名を聞くと頭に浮かぶのは、唐代の詩人白居易の不朽の名作「長恨歌」である。「長恨歌」に綴られたかずかずの物語―玄宗皇帝と楊貴妃(ようきひ)が七夕の夜に長生殿で交わした愛の誓い、太平の歓楽を破った安禄山反乱軍のせめ太鼓、都落ちの道すがら玄宗皇帝の馬前で死んでいく楊貴妃……。こうした物語は千余年も昔、中国はもとより遠く日本の奈良の都にも伝えられ、広く民衆のあいだで...