東の海に一匹の大きな魚がいた。その大きさときたら誰もはっきり言えないほどであった。この魚が海面を泳いでいると、尾をゆらゆらするだけで、海はたちまち波が逆巻き、おびただしい漁船がひっくりかえされた。海の底にもぐると、大きな口をパクリとやっただけで、数えきれないほどの魚や海老がのみこまれた。そこで、この大魚が姿を現わすと、魚たちは岩の割れ目にもぐりこみ、漁船はいそいで港に避難するのだった。そうなると、...
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東の海に一匹の大きな魚がいた。その大きさときたら誰もはっきり言えないほどであった。この魚が海面を泳いでいると、尾をゆらゆらするだけで、海はたちまち波が逆巻き、おびただしい漁船がひっくりかえされた。海の底にもぐると、大きな口をパクリとやっただけで、数えきれないほどの魚や海老がのみこまれた。そこで、この大魚が姿を現わすと、魚たちは岩の割れ目にもぐりこみ、漁船はいそいで港に避難するのだった。そうなると、...